「勤めているお店から独立して、自分のバーバーを構えたい」「昔ながらの理容室ではなく、こだわりのメンズグルーミングサロンを開きたい」――近年のバーバーブームもあって、そんな独立を考えている方が増えています。
理容室の開業には、理容師免許はもちろん、保健所への開設届や設備の基準など、クリアすべきステップがいくつかあります。加えて、シェービングやフェードカットを求めて通う固定客をつかむための「お店の仕組みづくり」も欠かせません。
この記事では、バーバー・理容室の開業に必要な準備を、資格・届出・物件と設備・運営ツール・集客の順に整理して解説していきます。
バーバー・理容室開業に必要なものの全体像
開業までに準備するものは、大きく4つに分けられます。
- 資格・届出関係: 理容師免許、(スタッフを雇う場合は)管理理容師、保健所への理容所開設届、税務署への開業届
- ハード面: 物件、内装、理容椅子、シャンプー台、シェービング関連の設備、消毒設備
- ソフト面(運営ツール): POSレジ、予約システム、キャッシュレス決済、ホームページ
- 資金: 物件取得費・内装費・設備費・運転資金
理容室は美容室に比べてシェービング(顔剃り)ができるのが大きな特徴で、そのぶん設備や衛生管理の要件にも固有のポイントがあります。順番に見ていきましょう。
具体的な準備項目
1. 理容師免許と管理理容師
理容室で理容行為(カット・シェービングなど)を行うには、国家資格である理容師免許が必要です。すでに免許をお持ちの方がほとんどだと思いますが、開設届の際に免許証の確認があるので手元に用意しておきましょう。
また、理容師が常時2人以上働くお店には「管理理容師」の設置が必要です。管理理容師になるには、3年以上の実務経験と指定講習の修了が条件です。ひとりで開業する場合は不要ですが、将来スタッフを雇う予定があるなら、早めに講習を受けておくとスムーズです。
2. 保健所への理容所開設届
理容室(理容所)を開くには、管轄の保健所へ「理容所開設届」を提出し、施設の確認検査を受ける必要があります。検査で構造設備の基準を満たしていることが確認されてから営業開始、という流れです。
基準には、作業面積や理容椅子の台数に応じた広さ、床・壁の材質、照明の明るさ、換気、消毒設備などがあります。細かな運用は地域によって異なるため、物件契約前・内装工事前の段階で、図面を持って管轄保健所に事前相談しておきましょう。工事が終わってから基準を満たしていないと分かると、手戻りが大きくなってしまいます。
3. 物件・内装
バーバー・理容室の物件選びでは、次のポイントをチェックしましょう。
- 理容椅子の台数に見合った広さがあるか(保健所基準もあわせて確認)
- 給排水の工事がしやすいか(シャンプー台の設置に直結)
- ターゲット客層が通いやすい立地か(オフィス街・駅前・住宅街で客層が変わる)
- 前のテナントが理容室・美容室なら「居抜き」で内装費を大幅に抑えられる
特に居抜き物件は、シャンプー台や給排水設備をそのまま使えるケースがあり、内装費を数百万円単位で節約できることもあります。ただし設備の老朽化には注意が必要です。
4. 設備・備品
主な設備・備品はこのあたりです。
- 理容椅子(リクライニング対応。新品は1台数十万円、中古なら大幅に抑えられる)
- シャンプー台
- シェービング関連(レザー・蒸しタオル用のタオルウォーマーなど)
- 消毒設備(紫外線消毒器・消毒液)
- バリカン・シザー類
- 鏡・セット面
- タオル類・クロス
- レジまわり(POSレジ・キャッシュドロア)
設備費の目安は、セット面2席〜3席の小規模店で150万〜300万円ほどです(2026年7月時点)。中古品や居抜きをうまく組み合わせると、ぐっと抑えられます。
5. POSレジ・会計まわり
バーバーの経営で意外と差がつくのが、レジまわりの仕組みです。単にお会計をするだけでなく、「どのメニューが人気か」「客単価はいくらか」「リピート率はどれくらいか」を数字で把握できるかが、経営の精度を左右します。
美容・理容業態に対応したPOSレジなら、会計と同時に顧客カルテ・来店履歴が記録され、スタッフ別の売上分析もできます。ポスタス(POS+)は美容・サロン業態向けの機能がそろったPOSレジで、導入時のサポートが手厚いのが特徴です。資料請求は無料なので、開業計画の段階で一度資料を取り寄せて比較材料にするのがおすすめです。
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そのほかのサロン向けPOSレジとの比較は、こちらの記事でまとめています。
6. 予約管理
昔ながらの理容室は「行けば順番に案内される」スタイルが主流でしたが、いまのバーバーは予約制との相性が抜群です。フェードカットやシェービングを含むメニューは施術時間が読みやすく、指名で通う常連客が多いからです。
予約システムを導入すると、こんなメリットがあります。
- 営業中にハサミを止めずに、24時間自動で予約を受けられる
- リマインド通知で無断キャンセルを減らせる
- お客さまの好みのスタイルや前回メニューを記録できる
無料から使えるサービスもあるので、開業と同時に導入しておきましょう。
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7. 集客(SNS・Googleビジネスプロフィール・ギフト需要)
バーバーの集客は、ビジュアル発信との相性が抜群です。フェードカットのビフォーアフターや店内の雰囲気は、InstagramやTikTokで強いコンテンツになります。開業前からスタイル写真を発信しておくと、オープン時にすでにファンがいる状態を作れます。
「地域名 + バーバー」で検索したお客さまを取り込むために、Googleビジネスプロフィールへの登録も必須です。無料で登録でき、口コミが集まるほど検索で見つけてもらいやすくなります。
また、メンズサロンならではの切り口として、父の日などのギフト需要を狙った施策もあります。詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
8. 開業届・税務まわり
保健所への届出とは別に、個人事業主として税務署への開業届の提出が必要です。開業から1か月以内が目安で、あわせて青色申告承認申請書を出しておくと最大65万円の特別控除が受けられます。日々の記帳はクラウド会計ソフトに任せると、確定申告もぐっとラクになります。
ツール選びのポイント

バーバー・理容室のツール選びでは、次の3点を意識してみてください。
1. POSレジと顧客カルテを一体化する
「前回はスキンフェードで、もみあげは短め」といった情報が会計と一緒に記録されていくと、接客の質がそのまま上がります。紙カルテからの移行は早いほどラクです。
2. 予約・会計・決済の連携を確認する
予約システムとPOSレジ、キャッシュレス決済がバラバラだと、二重入力の手間が発生します。導入前に「連携できるか」を確認しておきましょう。
3. 開業前に資料請求・無料プランで比較する
ツールは開業後に乗り換えるのが大変です。開業準備の段階で資料請求や無料プランを使い、操作感を確かめてから決めるのが失敗しないコツです。
なお、美容室の開業準備とも共通する項目が多いので、こちらのリストもあわせてチェックしてみてください。
開業スケジュール・費用の目安
スケジュール(目安)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 6か月前 | コンセプト・出店エリアの決定、資金計画・融資相談 |
| 4か月〜5か月前 | 物件探し、保健所へ事前相談(図面持参) |
| 2か月〜3か月前 | 物件契約、内装工事、理容椅子・シャンプー台の発注 |
| 1か月〜2か月前 | POSレジ・予約システム・決済の導入、SNS発信開始 |
| 開業前 | 保健所の開設届・確認検査、税務署へ開業届 |
初期費用の目安(2026年7月時点)
| 開業スタイル | 初期費用の目安 |
|---|---|
| 居抜き物件(1席〜2席) | 300万〜600万円 |
| スケルトンから内装(2席〜3席) | 600万〜1,200万円 |
理容室は給排水工事や理容椅子など設備投資が大きめの業態です。日本政策金融公庫の創業融資などを活用する方も多いので、自己資金と借入のバランスを早めに設計しておきましょう。運転資金は3か月〜6か月分を別枠で確保しておくと安心です。
よくある質問

Q1. 美容師免許でバーバーは開けますか?
いわゆる「バーバー」としてシェービング(顔剃り)を提供するなら、理容師免許と理容所としての開設届が必要です。美容師免許では理容行為はできません。資格と業態の整理は開業計画の最初に確認しておきましょう。
Q2. ひとり開業でも管理理容師は必要ですか?
理容師が常時2人以上いるお店に必要とされる資格なので、ひとりで営業する間は不要です。スタッフを雇う段階になったら要件を確認しましょう。
Q3. 理容室と美容室を同じ店舗で営業できますか?
理容所と美容所の両方の要件を満たす「重複開設」という形はありますが、条件が細かく定められています。検討する場合は管轄保健所で最新の要件を確認してください。
Q4. 客単価はどれくらいに設定すればいいですか?
立地とコンセプト次第ですが、カット+シェービングのセットメニューで単価を上げやすいのがバーバーの強みです。周辺店の価格帯を調べたうえで、POSレジの売上データを見ながら調整していくのが現実的です。
まとめ:バーバー・理容室開業チェックリスト
- [ ] 理容師免許を確認した(スタッフを雇うなら管理理容師も)
- [ ] 管轄保健所に事前相談した(図面持参)
- [ ] 物件を契約し、基準を満たす内装工事をした
- [ ] 理容椅子・シャンプー台・消毒設備をそろえた
- [ ] 理容所開設届を提出し、確認検査を受けた
- [ ] 開業届・青色申告承認申請書を税務署に提出した
- [ ] POSレジを導入した(顧客カルテと一体化)
- [ ] 予約システムを導入した
- [ ] キャッシュレス決済を導入した
- [ ] SNS・Googleビジネスプロフィールで発信を始めた
バーバー・理容室の開業は設備投資こそ大きめですが、固定客がつけば長く安定して続けられる業態です。届出と設備の準備を着実に進めつつ、開業前からの発信でファンづくりを始めてみてくださいね。
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