「いつか自分のバーを持ちたい」「スナックのママとして独立したい」
お酒の席で温めてきた夢を、いよいよ形にしようと動き出したとき、最初にぶつかるのが「何から準備すればいいの?」という壁です。バー・スナックの開業は、飲食店のなかでも届出まわりが少し特殊で、営業スタイルによって必要な手続きが変わります。
この記事では、これから開業する方に向けて、バー・スナックの開業に必要な届出・設備・ツールを2026年7月時点の情報でまとめました。最後にチェックリストも用意しているので、準備の抜け漏れ確認に使ってください。
バー・スナック開業に必要なものの全体像
準備するものは、大きく4つのカテゴリに分けられます。
1. 資格・届出: 食品衛生責任者、営業許可、深夜営業の届出など 2. 物件・内装: 店舗物件、カウンター、照明、音響 3. 設備・備品: 製氷機、冷蔵庫、グラス類、レジまわり 4. 運営ツール: POSレジ、キャッシュレス決済、会計ソフト
「お酒と接客が好き」だけでは埋められないのが、1と4の事務まわり。逆に言えば、ここを早めに片付けておくと、内装やメニューといった楽しい準備に集中できます。飲食店開業全般の持ち物リストは飲食店開業に必要なものリストでも整理しています。
必要な資格・届出
食品衛生責任者
飲食店を営業するには、店舗ごとに食品衛生責任者を置く必要があります。調理師などの資格がなくても、各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会を受講すれば取得できます。講習は人気で予約が埋まりやすいので、開業を決めたら早めに申し込んでおきましょう。
飲食店営業許可
バーもスナックも、お酒や料理を提供する以上は保健所の飲食店営業許可が必要です。シンクの数や手洗い設備など、店舗の設備基準を満たしているかの実地検査があります。内装工事の前に図面を持って保健所に事前相談するのが失敗しないコツ。工事後に「基準を満たしていない」と判明すると、やり直しの費用が重くのしかかります。
深夜酒類提供飲食店営業の届出
深夜0時以降もお酒をメインに営業するバー・スナックは、警察署への「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」が必要になるのが一般的です。営業できる地域(用途地域)の制限もあるため、物件の契約前に確認しておきたい項目です。
接待行為があるなら風俗営業の許可
お客様の隣に座って接客する、カラオケでデュエットするといった「接待」にあたる営業をする場合は、風俗営業の許可が必要になることがあります。スナックの営業スタイルによってはこちらに該当するケースがあり、無許可営業は罰則の対象です。
届出の要否は営業内容や地域によって判断が分かれるグレーな部分も多いので、管轄の保健所・警察署で最新の要件を必ず確認してください。行政書士に相談するのも1つの方法です。
開業届・青色申告承認申請書
個人事業主として開業するなら、税務署への開業届も忘れずに。あわせて青色申告承認申請書を出しておくと、最大65万円の特別控除など税制面のメリットを受けられます。
物件・内装の準備

バー・スナックは「席数よりも雰囲気」が売上を左右する業態です。物件選びでは、家賃だけでなく以下をチェックしましょう。
- 用途地域: 深夜営業や風俗営業が可能なエリアか
- 居抜きかスケルトンか: バー・スナックの居抜き物件なら、カウンターや厨房設備をそのまま使えて初期費用を大きく抑えられます
- ビルの規約: 深夜営業やカラオケの音が許容されるか
内装は、カウンター・照明・音響の3点が雰囲気の核になります。すべて新品で揃える必要はなく、中古やリースをうまく使うのが開業初期の定石です。
設備・備品リスト
開業までに揃えたい主な設備・備品です。
- 製氷機(バーの生命線。氷の質と量は営業を左右します)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- グラス類(ロック、タンブラー、シャンパングラスなど)
- シェイカーなどのバーツール
- カラオケ機器(スナックの場合)
- おしぼり・コースター類
- レジまわりの機器(次の章で詳しく)
レジ・決済・会計ツールの選び方
見落とされがちですが、開業後の毎日を助けてくれるのが運営ツールです。夜の営業で疲れた後に、手書きの伝票と電卓で締め作業をするのは想像以上に消耗します。
POSレジ
ボトルキープや飲み放題など、バー・スナック特有の会計にも、飲食店向けのPOSレジがあると管理がラクになります。たとえば飲食店特化のfunfo(ファンフォ)は、iPad1台・月額0円から始められるPOSレジで、食べ飲み放題の時間管理やLINEでの再来店促進など、夜の業態と相性のよい機能がそろっています。固定費をかけずにレジを整えたい開業初期にぴったりです。詳しくはfunfoとは?飲食店向けPOS+モバイルオーダーの料金・評判をご覧ください。
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POSレジの比較は飲食店向けPOSレジおすすめ比較で詳しくまとめています。
キャッシュレス決済
「バーは現金」の時代は終わりつつあります。会計単価が高めの業態だからこそ、クレジットカード対応の有無が客単価と再来店に響きます。決済サービスは手数料と入金サイクルを比べて選びましょう。
会計ソフト
夜の営業後に手書きの帳簿をつけるのは現実的ではありません。クラウド会計ソフトを使えば、売上や経費の記帳を自動化でき、確定申告もぐっとラクになります。ソフト選びは会計ソフト比較を参考にしてください。
スケジュールと費用の目安
開業までの逆算スケジュールの目安です。
- 6ヶ月前: コンセプト決め、資金計画、物件探し開始
- 3ヶ月前: 物件契約、保健所へ事前相談、食品衛生責任者の講習受講
- 2ヶ月前: 内装工事、設備・備品の手配、ツール選定
- 1ヶ月前: 営業許可申請・深夜営業の届出、メニュー作成、プレオープン準備
- 開業: 開業届の提出
初期費用は、物件の状態(居抜きかどうか)と立地で大きく変わります。居抜き物件をうまく活用すれば数百万円かからずに始められるケースもあれば、スケルトンからの内装で予算が倍以上になることも。自己資金に加えて、運転資金を最低3ヶ月分確保しておくと、開業直後の売上が読めない時期を乗り切りやすくなります。
よくある質問

Q. 資格がなくてもバーを開業できますか?
A. 調理師免許は不要です。食品衛生責任者の講習を受講し、保健所の営業許可を取れば開業できます。
Q. 深夜営業の届出は必ず必要ですか?
A. 深夜0時以降にお酒をメインで提供するかどうか、接待行為があるかどうかで必要な手続きが変わります。営業スタイルを決めたうえで、管轄の警察署・保健所に確認してください。
Q. ワンオペでも回せますか?
A. スナックやカウンターバーはワンオペ営業も多い業態です。だからこそ、会計や記帳を自動化できるPOSレジ・会計ソフトの導入価値が大きくなります。
まとめ:開業チェックリスト
最後に、準備項目をチェックリストにまとめます。
- [ ] 食品衛生責任者の講習を受講した
- [ ] 物件の用途地域・ビル規約を確認した
- [ ] 保健所に事前相談し、営業許可を申請した
- [ ] 深夜営業・接待の有無に応じた届出を確認した
- [ ] 製氷機・冷蔵庫・グラス類を手配した
- [ ] POSレジ・キャッシュレス決済を導入した
- [ ] 会計ソフトを準備し、開業届・青色申告の申請をした
届出まわりは地域差があるため、必ず管轄の保健所・警察署で最新要件を確認しながら進めてください。準備を1つずつ潰していけば、カウンターの向こうでお客様を迎える日はもうすぐです。
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