「お客様の施術や教室の準備は頑張れるのに、経理だけはどうしても後回しにしてしまう」――そんな方、実は少なくありません。
個人サロンや教室を運営していると、日々の施術・レッスンに加えて、売上の記録、経費の整理、レシートの保管、帳簿付けと、やるべきことが山のようにあります。とくに経理業務は「苦手だし、今日じゃなくてもいいか」と先延ばしにしがちですよね。
でも、溜め込んだツケが回ってくるのが確定申告の時期。年末から年明けにかけて、領収書の山と格闘する……なんて経験をした方もいるのではないでしょうか。
この記事では、経理が苦手な個人サロン・教室オーナーの方に向けて、日々の経理を無理なく効率化する5つの方法を紹介します。少しの工夫で、経理のストレスはかなり軽くなりますよ。
個人サロン・教室の経理でやるべきこと
まず、個人事業主として最低限やっておくべき経理業務を整理しておきましょう。「何をやらなきゃいけないのか」が曖昧だと、漏れが出やすくなります。
1. 売上の記録
その日にいくら売上があったのか、施術ごと・レッスンごとに記録します。現金・カード・電子マネーなど、支払い方法ごとに分けて記録するのが基本です。
2. 経費の記録
材料費、家賃、通信費、交通費など、事業に関わる支出を記録します。「これは経費になるのかな?」と迷うものも多いので、判断に困ったら税理士さんに相談するか、とりあえず記録しておいて後で確認するのが安全です。
3. レシート・領収書の保管
経費の証拠となるレシートや領収書は、原則として7年間の保管が必要です。紙のまま保管でもOKですが、電子保存にも対応しておくと安心です(詳しくは後述します)。
4. 帳簿付け
青色申告であれば複式簿記、白色申告でも簡易帳簿が必要です。「帳簿」と聞くと身構えてしまいますが、会計ソフトを使えば自動で作ってくれるので、そこまで心配しなくて大丈夫です。
5. 確定申告
1年間の売上と経費をまとめて、翌年の2月16日〜3月15日に税務署へ申告します。日々の記録がきちんとしていれば、確定申告自体はそれほど大変ではありません。
面倒だからとサボっていると、年末にまとめて1年分を処理するハメになります。正直、これは地獄です。逆に言えば、日々の経理を少しずつ片付けておけば、確定申告の時期も落ち着いて迎えられます。
経理効率化の5つの方法
ここからが本題です。個人サロンや教室の経理を、できるだけラクにする5つの方法を紹介します。全部を一度にやる必要はないので、取り入れやすいものから始めてみてください。
方法① 会計ソフトで自動仕訳する
経理の効率化で一番インパクトが大きいのが、クラウド型の会計ソフトを導入することです。
銀行口座やクレジットカードを連携させると、入出金のデータを自動で取り込んで、仕訳(「これは売上」「これは消耗品費」といった分類)まで提案してくれます。手書きの帳簿やExcelに一つひとつ入力していた作業が、ほぼ自動化されるイメージです。
代表的なクラウド会計ソフトとしては、freee会計、マネーフォワード クラウド確定申告、やよいの青色申告 オンラインの3つがあります。いずれもスマホアプリに対応しているので、施術の合間やレッスン後のちょっとした時間にサッと確認できるのもポイントです。
「簿記の知識がないから不安」という方には、仕訳の自動提案機能があるfreee会計が特に使いやすいでしょう。詳しい比較は個人サロン・教室の確定申告におすすめ会計ソフト3選でまとめています。
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方法② POSレジと会計ソフトを連携する
サロンや教室でPOSレジを使っている方は、会計ソフトとの連携設定をしておくと、売上データの入力が大幅にラクになります。
たとえば、スマレジやAirレジなどのクラウドPOSレジは、freee会計やマネーフォワードとデータ連携が可能です。レジで会計処理をすると、その売上データが自動的に会計ソフトに反映されるので、「今日の売上をノートに書いて、それを会計ソフトに入力して……」という二度手間がなくなります。
とくに1日に複数の施術やレッスンをこなす方にとって、この自動連携の効果は大きいです。入力ミスも減りますし、「あれ、昨日の売上を入力し忘れた」というトラブルも防げます。
POSレジをまだ導入していない方で、今後の導入を検討している場合は、会計ソフトとの連携に対応しているかどうかも選ぶポイントに加えてみてください。
方法③ レシートはスマホ撮影で電子保存する
経費のレシートや領収書、紙のまま封筒や箱に突っ込んでいませんか? 溜まっていくと整理するのが億劫になりますし、感熱紙のレシートは時間が経つと印字が薄くなって読めなくなることもあります。
そこでおすすめなのが、スマホで撮影して電子保存する方法です。freee会計やマネーフォワードにはレシート撮影機能が搭載されていて、スマホのカメラでパシャっと撮るだけで、金額や日付を自動で読み取って仕訳候補を作成してくれます。
2024年1月から電子帳簿保存法の改正により、電子データで受け取った請求書や領収書は電子保存が義務化されています。紙で受け取ったレシートについてはまだ紙保管でも問題ありませんが、スマホ撮影で電子保存しておけば、検索もしやすく、保管場所にも困りません。
電子帳簿保存法への対応については、電子帳簿保存法 サロン対応完全ガイドで詳しく解説しています。
方法④ 事業用口座・クレジットカードを分離する
意外と見落としがちですが、経理を効率化するうえで非常に効果的なのが、事業用とプライベート用の口座・クレジットカードを分けることです。
個人事業主の場合、生活費と事業の経費が同じ口座から出ていると、どれが事業の支出でどれがプライベートなのか、あとから一つひとつ仕分ける作業が発生します。これが地味に時間を食います。
事業用の銀行口座を1つ、事業用のクレジットカードを1枚用意して、事業に関するお金の出入りはすべてそこに集約しましょう。こうするだけで、会計ソフトに連携したときに「事業用口座の取引=すべて事業の取引」とほぼ一致するので、仕訳作業が格段にシンプルになります。
事業用口座は、屋号付きの口座を開設できる銀行もあります。ネットバンキングに対応していれば、会計ソフトとの自動連携もスムーズです。開業準備の段階で早めに用意しておくことをおすすめします。
方法⑤ 月次で15分だけ帳簿チェックする
5つめは、ツールの話ではなく「習慣」の話です。
経理で一番やってはいけないのは「溜めること」。1か月分のレシートを月末にまとめて処理するのと、毎週少しずつ処理するのとでは、心理的な負担がまるで違います。
おすすめは、月に1回、15分だけ帳簿のチェック時間を設けること。毎月1日や月末など、日付を決めてしまうのがコツです。
チェックする内容はシンプルでOKです。
- 未分類の取引が残っていないか
- 口座残高と会計ソフトの残高が合っているか
- レシートの撮影し忘れがないか
会計ソフトを使っていれば、自動で取り込まれたデータを「確認して承認する」だけなので、15分あれば十分です。この習慣があるだけで、確定申告前の作業量がまるで変わってきます。
節税の観点からも、日々の経理をきちんとしておくことは大切です。サロンオーナーの節税テクニック10選もあわせて参考にしてみてください。
おすすめ会計ソフト3選の比較【2026年7月時点】

「会計ソフトを使ったほうがいいのはわかったけど、どれを選べばいいの?」という方に向けて、個人サロン・教室オーナーに人気の3つを比較します。
| 項目 | freee会計 | マネーフォワード クラウド確定申告 | やよいの青色申告 オンライン |
|---|---|---|---|
| 月額料金(税抜) | 980円〜 | 800円〜 | 初年度無料プランあり |
| スマホアプリ | ◎(メイン操作可能) | ○(確認・入力向き) | ○(確認向き) |
| 銀行・カード連携 | ◎ | ◎(連携先が豊富) | ○ |
| レシート撮影 | ◎ | ○ | ○ |
| 簿記知識 | 不要(自動仕訳が優秀) | やや必要 | やや必要 |
| サポート | チャット・メール | チャット・メール | 電話・メール・チャット |
| おすすめな方 | 簿記知識ゼロの方 | 複数口座を使い分ける方 | コストを抑えたい方 |
※料金は2026年7月時点の情報です。最新の料金は各公式サイトでご確認ください。
freee会計は、簿記の知識がなくても直感的に使えるのが最大の強みです。スマホだけでほとんどの操作が完結するので、パソコンを持っていない方にも向いています。料金プランの詳しい比較はfreee会計の料金プラン徹底解説をご覧ください。
マネーフォワード クラウド確定申告は、銀行口座やクレジットカードとの連携先が非常に豊富。複数の口座を事業で使い分けている方には使い勝手がいいソフトです。
やよいの青色申告 オンラインは、初年度無料プランがあるのが大きな魅力。「まず使ってみてから判断したい」という方にぴったりです。老舗メーカーならではの電話サポートがある点も、ITに不慣れな方には心強いでしょう。
freee会計とマネーフォワードの違いをもっと詳しく知りたい方は、マネーフォワード vs freee 徹底比較を参考にしてみてください。
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よくある質問

Q1. 会計ソフトは確定申告の時期だけ使えばいい?
いいえ、日常的に使うのがおすすめです。確定申告の直前にまとめて入力しようとすると、レシートの紛失や記憶違いでミスが起きやすくなります。銀行口座やカードを連携しておけば、普段はほぼ自動で記録されるので、月に1回チェックするだけで十分です。
Q2. 白色申告でも会計ソフトは必要?
義務ではありませんが、使ったほうがラクです。白色申告でも収支の記録は必要ですし、将来的に青色申告に切り替えるときもスムーズに移行できます。freee会計ややよいには無料プランもあるので、コストの心配も少ないです。
Q3. レシートを電子保存したら紙は捨てていい?
電子帳簿保存法の要件(タイムスタンプの付与など)を満たしていれば、紙のレシートを廃棄することも可能です。ただし、要件を正しく満たしているか不安な場合は、念のため紙も保管しておくのが無難です。詳しくは電子帳簿保存法 サロン対応完全ガイドをご覧ください。
Q4. 事業用口座は開業届を出す前に作れる?
はい、個人名義の銀行口座であれば開業届の前でも開設できます。屋号付き口座は、開業届の控えが必要になる銀行もあるので、開業届を出した後のほうがスムーズです。ネットバンクなら比較的手軽に口座開設できます。
Q5. 税理士に頼まなくても大丈夫?
年間の売上規模が小さいうちは、会計ソフトを使って自分で申告している個人サロン・教室オーナーの方も多いです。ただし、売上が大きくなってきたり、消費税の課税事業者になったりした場合は、税理士に相談したほうが安心です。まずは会計ソフトで日々の経理に慣れておくと、税理士に依頼する際もスムーズにやりとりできます。
まとめ
個人サロンや教室の経理を効率化するポイントをおさらいします。
- 会計ソフトを導入して自動仕訳を活用する(手入力の手間を大幅カット)
- POSレジと会計ソフトを連携させる(売上データの二度手間をなくす)
- レシートはスマホ撮影で電子保存する(紙の山から解放される)
- 事業用口座・カードをプライベートと分ける(仕訳がシンプルになる)
- 月1回、15分の帳簿チェックを習慣にする(溜めないことが最大の効率化)
経理は、コツさえつかめば決して難しい作業ではありません。会計ソフトの力を借りて日々少しずつ片付けていけば、確定申告の時期も慌てずに済みます。
まだ会計ソフトを使っていない方は、まずは無料プランや無料体験から試してみてください。
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